「MLCCの不足はいつまで続くのか」という疑問が何度も浮上します。業界では、この状況は2020年まで続くというのが一般的な見解です。それまでの間、KEMETのKO-CAPポリマー電解コンデンサが、いくらかの救済策として利用可能です。切り替えを決定する際に考慮しなければならない設計上の考慮事項がいくつかあります。
ポリマーの利点
KO-CAPはタンタルベースのポリマー電解コンデンサです。従来のタンタルコンデンサと同様に、KO-CAPには、酸化物誘電体を含むタンタル粉末の焼結スラグであるアノードがあります。類似点はそこで終わります。カソードは導電性ポリマーです。この導電性ポリマー材料は、従来のタンタルコンデンサーに使用されている二酸化マンガンよりもはるかに低い抵抗率を持っています。
機能と利点
-- 高い容積効率
-- 低ESR
-- 安定した周波数応答
-- 安定した温度プロファイル
-- 電圧範囲にわたって安定
-- 圧電ノイズなし
MLCCの供給不足に陥った場合、KO-CAPへの切り替えは簡単ではありません。スイッチは、KO-CAPのパラメータが設計要件と交差する場合にのみ可能です。
変更の実行
KO-CAPへの切り替えを行う際に考慮しなければならない要素がいくつかあります。
-- 必要な総静電容量: KO-CAPを検討するには680nFより大きくなければなりません
-- アプリケーション電圧: 50V以下でなければなりません
-- ESR: 最低は4 ~ 8ミリオームです
-- 周波数: 1MHz未満のスイッチング周波数に最適です
-- 逆バイアス: 逆バイアス電圧が発生してはなりません
これらすべての要素が設計条件に適している場合は、KO-CAPへの移行がオプションとなります。
価値提案
MLCCからポリマーへの移行は難しい設計変更のように思えるかもしれませんが、MLCCバンクを1つのKO-CAPに置き換える場合は、魅力的な変更になります。場合によってはMLCCが唯一の選択肢となることもありますが、設計要件が許せば、KO-CAPに切り替えることは設計変更の価値があるかもしれません。
これらの利点は次のとおりです:
-- BOM数の削減
-- 総容量コストの削減
-- 基板面積の削減
-- 電気的安定性
これらの利点に加えて、タンタルのサプライ チェーンは現在安定しており、KEMETは生産能力をさらに増強しています。他に利用できるMLCCオプションがない場合は、KO-CAPを検討して、MLCCの容量不足を少しでも解消してください。
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